2017年8月16日
こんにちは!
さくらパソコンサービスです!
前回の「小さくて高性能なゲーミングPCを作ってみた – 第1回:パーツ選び編」に続いて今回は用意した各PCパーツを組み立てていくところをご紹介したいと思います。
今回使用するPCケースはSILVERSTONE社製のSugoシリーズ SST-SG13です。ハイエンドゲーミングPCを構成するパーツを収めるにはギリギリのサイズとなります。
※本記事は専門用語を使用しています。悪しからずご了承くださいませ。
目次
自作PCは基本的にドライバー1本あれば組立可能ですが、あると便利なものもご紹介します。
ドライバー 今回はVESSEL No.220(+1×150)を使用しました。先端が2番以上になると回せないネジが出てきますので、0番か1番を使用します。精密ドライバーはネジ頭をつぶすことがあるので使用しません。 | |
ニッパー 結束バンド(インシュロック・タイラップ)の切断に使用します。弊社ではフジ矢 MP11-100を使用しています。無ければハサミ等で代用できます。カッターは部品を傷つける可能性があるので使用しません。 | |
制電手袋 SHOWA 制電トップフィット手袋A0111を使用しています。主に端子等への皮脂の不着防止と考えています。自分に帯電している静電気は手袋で防げませんので除電してから作業してください。 | |
静電マット エンジニア 静電作業マット ZC-80を使用しています。アースを取れるので体や部品などの静電気を除去することができます。 |
BTOショップなどでもPCパーツを素手で取り扱っており、素手で組み立てるのが一般的になっていますが、皮脂の不着や静電気の放電に注意する必要があります。
各端子部に皮膚を接触させない自信がある方は手袋無しでも問題ありません。端子部に皮膚が接触すると皮脂が付着し、端子の劣化を促進させたり、信号の通信に障害を引き起こす可能性があります。
冬場などに『パチッ』となる静電気の放電は1万V以上になります。PCパーツに放電した静電気が流れると破損します。放電した箇所によっては複数のパーツが破損する場合もあります。
静電気の放電を防ぐにはアースが取られた家電などを触り、体に溜まった静電気を除去してください。また、作業中に静電気が溜まることもありますので、制電手袋や静電マットの利用をお勧めします。
小さなケースにITX規格のマザーボードでしたので、通常とは少し手順を変えて組み立てました。
今回の場合 | 通常の場合 | |
1 | マザーボードへのCPU取り付け | マザーボードへCPU取り付け |
2 | マザーボードへのM.2 SSD取り付け | マザーボードへCPUクーラー取り付け |
3 | マザーボードへのCPUクーラー(簡易水冷)取り付け | マザーボードへメモリ取り付け |
4 | ケースへのマザーボード取り付け | マザーボードへM.2 SSD取り付け |
5 | ケースへのラジエーター(簡易水冷)取り付け | ケースへマザーボード取り付け |
6 | マザーボードへのメモリ取り付け | ケースへ電源ユニット取り付け |
7 | マザーボードへのグラフィックカード取り付け | ケースへ5インチドライブ、2.5・3.5インチストレージ取り付け |
8 | ケースへの電源ユニット取り付け | マザーボードへのグラフィックカード取り付け |
9 | 各種ケーブル接続 | 各種ケーブル接続 |
現在のCPUは端子の変更やコアへのカバー追加等によって取り付けしやすくなっていますが、それでも繊細で高価な部品ですので、メモリやケーブル等接触しやすいパーツが最も少なく、作業のしやすい最初に取り付けをおこないます。
マザーボードのCPU固定金具には端子を保護する為のプラスチック製のカバーがついていますが、慣れていない方は固定金具を跳ね上げてから取り外すと安全にはずれます。尚、CPU取り付け部(上画像の赤丸部)に接触しないよう注意してください。小さな金属の爪のようなものがありますが、変形等が起こるとCPUとの接触不良が発生し、マザーボード・CPUのメーカー保証が受けられなくなります。
CPUの方向に注意しながら取り付け、CPU固定金具をしっかりとロックします。
CPUを露出したまま他パーツの組付け作業をするのは危ないので、通常ならここでCPUファンを取り付けます。今回はITXということでマザーボードが小さくCPUファン取り付け後はSSDのスロットにアクセスできなくなる恐れがある為、先にSSDを取り付けます。
今回使用するマザーボード ASUS ROG STRIX H270I GAMINGはSSDが二枚重ねて接続できますが、排熱効率をあげる為の専用ヒートシンクが設置されています。
一番上のカバーを取り外すと1枚目のSSD取り付け位置が出てきます。2枚目はさらに下のようです。
今回はIntel 600pシリーズのM.2 SSDが1枚だけなので下のスロットは開けずに組み込みます。いずれRAID化する予定なので下のスロットはその際開けたいと思います。
今回使うのは簡易水冷のSILVERSTONE SST-TD03-LITEとなります。ラジエーターの重みでITXのマザーボードがもっていかれる為、取り付け時の写真撮影ができませんでした。
簡易水冷自体の取り付けには特に難しい箇所はありません。Intelの純正以外のファンを取り付けた経験がある方は問題なく取り付けできると思います。
熱電動グリスはCPUから若干溢れても構いませんので少し多いかなと思うぐらい塗ってください。今回はSST-TD03-LITEに付属していたグリスを8割ぐらい塗りました。
簡易水冷の配管が電源ユニットと干渉するので、取り付けられる方向が1つしかないのですが、その方向だと配管とメモリがギリギリになってしまいました。
目測ですが簡易水冷の配管とメモリの隙間は1~2mm程度になりそうです。ヒートシンク付の派手なメモリを選定していたら確実に干渉してました。危なかったです。
簡易水冷の重みで手が離せませんでしたので、マザーボード取り付け時の写真撮影ができませんでした。
取り付け後に気付いたのですが、メモリに続いて今度は電源ユニットと簡易水冷の配管が干渉しそうです。
今回選定した電源ユニットKRPW-GT00W/90+は奥行125mmですが、簡易水冷の配管との隙間は目測で1mm程度になりそうです。非プラグインの電源ユニットの場合、ケーブルと配管が干渉して組めないと思います。
SILVERSTONE SST-SG13で簡易水冷を組むときは奥行125mm且つプラグイン対応の電源ユニットが必須です。
ラジエーターを手で支えておかなければならなかったので写真撮影ができませんでした。配管が割と固いので抑え込むようにネジ止めしました。その他、特に問題になるようなことはありません。
簡易水冷の配管との干渉を心配しましたが丁度1mmぐらいの隙間でなんとか収まりました。(画像は電源ユニット搭載後のものです。)
電源ユニットとケースとの隙間にグラフィックカードを取り付けるのですが、電源ユニットを搭載した後では入りませんので注意が必要です。
グラフィックカードとケースの隙間はほとんどありませんが、グラフィックカードのファンが吸排気できるようケース側にメッシュ加工が施されているので排熱は問題なさそうです。
あちこちがギリギリなので慎重に取り付ける必要がありますが、特に問題は起こりませんでした。心配してたプラグインケーブルと簡易水冷の配管も、配管と干渉しないプラグを利用して電源を取ることができました。
手が入らないのでフロントパネル用コネクタの接続に苦労しました。電源ユニットの取り付け前におこなうべきでした。
ミドルタワー以上のケースでは各種ケーブルを結束バンドを使用して束ねますが、今回使用したSugoシリーズ SST-SG13では小さすぎて手が入らず最低限の結束しかできませんが、簡易水冷であること、グラフィックカードはケースに空いたメッシュ部から直接吸排気できるので空気の流れに問題はなさそうです。
M.2 SSDのRAID化も考えていますので今回はざっと結束して最終的には以下のようになりました。
次回以降はベンチマークテストや実際にゲームを動かしてみたいと思います。
コメントを書く